電波はいつ狂うの?

いつも部屋に帰ると、息がふうっと抜けて何もする気が起きなくなる。ドアを通るときに魂か何かを抜かれてしまっているかもしれないと思うほどに。よく自分の部屋では仕事などできないという話は聞くけれど、僕に関してもそれは大いに当てはまる。むかしから宿題というやつが大の苦手で、まあそんなものに苦手もくそも無いのかもしれないけれど、それにしたって、家で緊張感を持ってやらなければならないことは何一つとして出来た試しが無かった。日記を書くのは習慣としていたからまだいいけれど、ほかの事に関してはからっきし駄目。それこそ24時間営業のマックにでも行かなければならないほど。油まみれのポテトと味のしないコーヒーを飲みながらキーボードを叩くのもいささか癪な話で、まあ自ずと自宅にこもって無為な日々ばかりを過ごしている。実に暇なつまらない生活で、とても大学生らしいなあなどと思ったりもする。まあ嫌いじゃないけどね。まあ「堕落することはすばらしい」というようなことを『カラマーゾフの兄弟』で読んだ気がするけれど、果たしてそうなのかはよくわからないし、そもそもそんな文章が本文にあったかどうかもわからないのだから、とりあえず「堕落する準備はOK?」などと言って善良な一般人を楽園へと誘い込めば楽しいのかもしれない。さながら僕らはアダムとイブを陥れる蛇か楽園から追放する神かあるいは追放される彼ら自身なのか。更正する準備もままならないうちに這い上がれない程度の奈落には堕ちていって下のほうでがさがさともがくことになる。家で作業が出来ない程度で大げさな話だと思うかもしれないが、実のところ僕もその通りだなと思ったりする。とまれ、解決策はいくらでもあって、その中のどれを選ぶかがもっぱらの問題だったりする。