箱舟と兎

一日というのは基本的に同じ要素で構成されていて、一日一日を区別する要素を見つけるのは難しい。去年の今日はたしか月曜日でひどく機嫌が悪くて、おととしの今日はたしか日曜日で酒を飲んでいたという記憶があるのは、今日という日付自体に特別な思い入れがあるからに他ならなくて、とはいえこれまでの全ての今日、6.21を覚えているかと言えばNОと答えざるを得ないが、半分くらいは覚えていると言う自信は少しばかりある。誰しもそんな一日が存在するはずで、毎年何が起きたかというのを諳んじることができないにしろ、それでも何年かは言えるに違いない。おそらくそういう日のことを人は記念日と呼ぶのだろう。
僕にとって、6.21が何らかの記念日だとすれば、こうやって駄文をつづり続けたことも数年前の今日のこととして覚えていられるのだろうか、などと考えてはいるものの、この文章を書いている時間など一日の24分の1にも満たない時間だと言うことを思うと、覚えている可能性は男子校における女性の比率にも達しないことと思う。まあそれにしたって今日という日はこの日記を通して認識することになるのだろう。何考えてるんだろう、こいつなどと嘯きながら。
天気予報などまるで見ない僕は今日も今日とて雨がしとしとと降る陰気な天気だろうと思っていたのだけれど、そんなこともなくいかにも夏らしいさわやかな陽気で、夏の始まりを予感させると言ったら大げさだが、とはいえ半袖のTシャツ一枚でも汗ばんでしまうような気温であった。しばらくすると、大学では節電のために冷房があまり効かなくなるそうで、ただでさえ人が多くて暑苦しい大学の教室が余計に居心地の悪い空間になることはおそらく必至で、パソコンがたくさん置いてある教室の気温など想像するのもいやになるほどだ。夏が始まれば、大学に行く機会も減るだろうから、別に僕にとっては大して関係の無い話だなと聞き流すことにする。そしてもうすぐ夏が始まるみたいだけど、いつからなのかなんてわかるわけもないので、とりあえず今日から夏ということにしておく。そうだね、ハローサマーグッバイとでも言えばいいかな?