年の瀬

クリスマスが終わってしまうと一年が終わってしまうのだなあと切実に感じる。お祭りの終わったあとのなんともいえない寂しさと一年が終わってしまうやるせなさが妙にあっているのかもしれない。思うに、クリスマスが盛り上がるのは一年の最後のイベントというのもあるのだろう。
今となってはクリスマスと言えば恋人のためのイベントのような気がしてしまうけれど、小さいころは誕生日と並んで、プレゼントがもらえるというわりかし夢見がちなイベントだったような気がする。今となっては有名になったある小説の冒頭に「サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいい話だが、それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じていたかと言うと、これは確信をもって言えるが最初から信じてなどいなかった」と言うくだりがあるけれど、僕の場合は素直に信じていたように思う。というかプレゼントをもらえるのならば誰でも良かったのだろう。子供というのはそういうところが淡白でそして素直に物事を把握できているのかもしれない。
ともあれ、20歳を過ぎてしまった僕もサンタクロースを素直に信じるには擦れすぎてしまっていて、しかもプレゼントももらえるわけではないし、クリスチャンでもないのだから、騒ぐようなイベントではないのだろうけれど、どうにも周りが騒いでいると騒がないのはもったいないような気がしてしまうのだ。まあミーハーなのだろう。とはいえ、街中にはクリスマス仕様のイルミネーションがピカピカと光っていて、サンタや恋人がいるとかいないとかそんなことはどうでもいいなあと思ってしまう程度にはわくわくした気分になる。特に僕が住んでいる街では一般住宅にもイルミネーションが飾られていて、それらを見るとなんともあったかい。世間ではクリスマスなんてリア充のイベントにすぎない、クリスマスなんてなくなってしまえなんて本気で言っている人もいるみたいだけれど、もう少し素直に物事を見ればいいのになあと思う。だってやっぱり東京の12月はきれいだし、イルミネーションだってきれいだよ。
そういうイベントが終わってしまうと寂しいというのは最初に書いたけれど、それはそれで大切なことなのだと思います。やっぱりいつもきれいだったら、きっときれいに感じられないのだろうし。何事も終わりがあるから、上手く回っているのでしょう。
そういうわけでうまくまとまったわけだし、このあたりで。
今年は結構いい一年だったと思うので来年もいい一年になるといいなあ。それではよいお年を。