五月病未遂

四月だというのに雪が降ったり、春とは思えないほどの気温になったりして、とても過ごしにくい日々が続いている。一般に異常気候だとかいうのかもしれないけれど、毎年テレビではそんなようなことを言っている気がするのでどうにも信用できない。毎年、「今年の風邪は脅威」と騒いでいるのを見ている感覚に似ている。個人的にはこの異常気象の原因は僕のような屑人間が大学という恐れ多い場所に入ってしまったからなのではないかと邪推しては見るものの、それこそ僕ごときが世界に影響を与えることなどできるべくもない。まあ結局のところ僕にはわからないような小難しい理由でそうなっているのだろう。
こういった四月とは思えない気候のせいか、はじめのころに満ち溢れていたやる気は何日もしないうちに霧散してしまった。まあなんともはかないものである。僕はといえばこんな有様なのだけれど、周りの人たちはまだまだやる気に満ち溢れている。素晴らしいことだ。若さというのはこういったところにも現れるらしい。とはいえ僕としても苦労して大学に入ったのだから、と最初の何日かは頑張ってみたのである。だけれど、すぐに疲れてしまった。だって、僕のような人間がいていい場所など大学内にないのだもの。どこにいたって、華やかな人たちであふれかえっているのだ。彼女たちの眩しさといったら!みんな期待と自信に満ち溢れているのである。文字通り輝いているのではないかとすら思ってしまう。それを見ていると自分が虫けらのような取るに足らないもののような気がしてしまって仕方がない。大学内はそんな場所ばかりなのだから、僕としても居心地が悪くて仕方がない。どこにいても据わりが悪くて仕方がないのだ。高校の友人もそのようなことを話していたが、身をもって体感するとまたしんどいものである。こういうしんどい日々が続いていくうちに最初は新鮮に感じられていた授業の数々もあっという間に色あせてしまった。これはいったいどうしたものか、と思うにつけ、とりあえず居場所を見つけようと思い立ちなじめそうなサークルを見つけて、何日かそこに入り浸っていたが、ここも人が多くて実に騒がしい。もはや知らない人たちとしゃべるのにうんざりし始めている。もっと静かにのんびりできる場所が欲しいものだ。今となっては改装中の図書館が開く日が実に待ち遠しい。
こうして一ヶ月を振り返ってみると、自分がいかにダメな人間であるかを思い知らされるばかりである。こうなってくると実に心がすさんでしまい、口を開けば愚痴や罵詈雑言の数々である。ちなみにこの日記もただの愚痴なのであるが、言っているうちに惨めになってくるあたり、もはや救いようもない。こんな僕のことでもイエスはペトロのように真人間にしてくれるのだろうか。まさに今の心持ちとしては「クオ・ヴァディス」と言いたいところである。本当にどこへ行くのやら。