8月の終わりのこと、なんて

何をしていたのだろうか。よく覚えていないけれど、帰り道。ふと空を見上げたらなんかやたらと月が綺麗で。
あとで聞いた話だと、満月だったみたいだ。満月近くの月って、なんかどれも同じに見えて、ちょっとくらい欠けていても満月に見えてしまうものだけど、とりあえずその日は満月だった。
たしかその前日も月が綺麗だな、なんて思って、満月なのかななんて思ったりしたんだけど。
とにかく月の綺麗な夜だった。

その夜はすごく体が疲れていたはずなんだけど、なぜか全然眠れなくって、迷惑なことに洗濯なんかしたりして、とりあえずがちゃがちゃと動き回っていたと思う。
なんでだろう。今からこじつけで言ってしまえば、胸騒ぎ的なアレなのかな。まあ単純に夜型だったからだと思うけど。

3時頃だったと思う。ふっとディスプレイの隅にある日付の所が目に入ったんだよね。
そしたら9月になっていて。あれ、みたいな。夏休み、終わりかあなんて思って。
僕、全然学校行ってなかったし、それに次の日から学校あるわけじゃないんだけど、なんかすごくそう思って。
8月終わらせたくなったんだよ。おかしな話だよね。
本当は僕がキーボードカタカタやってる間に8月31日の23時59分は過ぎ去っていて、今は9月1日3時何分なのに。
今は8月31日の27時だなんて息巻いたりして。
それで、よし月をもう一回に見に行こう、なんて思ったんだ。
特に買うものがあるわけじゃないけど、財布持って、ちょっと遠くのコンビニまで行こうかなって。

月はまだ西の空にぽっかり浮かんでいて。まだまだ沈みそうには見えなかった。
さっき見たのとはあまり変わらない、ちょっと雲がかった丸い月がぷかぷかと。
東の空には3つほどの明るい星があって、あれ、夏の大三角だっけ、なんて。

そんな感じでぼやっと考え事をしてたら、コンビニに着いちゃったんだよね。
特に何を買うかなんて決めていなかったから、なに買おっかなあなんて思いながら、店内うろうろしてて。
そしたら、なぜかお酒の所がやたらに目に付いたんだよね。買えって言われてるような気がしちゃって、そんな気分なんかじゃなかったんだけど、買うものないしまあいいかなんて言って、とりあえず買って。
そこの喫煙所で、タバコ吸いながら、缶チューハイ飲んでた。わざわざコンビニなんかで買わなくてもいいのにね。
まあでも8月終わるのなんか寂しくなっちゃったから、勝手に祝杯だ、なんて言って飲んでた。
特別な日なんてさ、いつでも作れるんだよなんて、独り言嘯いて。だって、もう9月になってるのに8月終わりの祝杯あげてるんだよ。馬鹿みたいだよね。
でもまあそういうもんなのかもよ。なんだって気持ちの持ちようみたいなところあるしさ。

まあ、という感じで僕の夏休みは終わったわけ。まだ学校行ってないし、当分行かないけどさ。
でもたまにはこういう風に、お月様に身を委ねてみてもいいのかもね。
さて、明日は晴れるかな。