秋の夜長

今日はひどく体調が悪くて、珍しく授業が終わったあとまっすぐに家に帰った。精神的はたまた肉体的な疲れかはわからないけれど、まだ外も明るいというのに、布団に入ると驚くぐらいすんなりと眠れた。目を覚ますと、当然のように外は暗い。時計を見ると、5時間ほど寝ていたらしい。明日も授業があるのだから、と寝なおそうと思ったけれど、一度目が冴えてしまうと、再び眠りに付くことは難しい。明日の予習も終わっていなかったから、おそばせながら勉強を始めることにした。こういうことをしているから生活リズムが崩れるのだよなあ。
机に向かっているうちに、夜も更けていく。一息つこうと思って外に出ると風がビュンビュンと吹いている。普段はただうっとうしいように感じる風もなんとも心地よく感じるのは不思議な感じだ。秋の夜とはなんとも叙情的になるものである。ぷかぷかとタバコを吸いながらぼんやりとしていると、ふと空が視界に入った。空には満点とまではいかないけれど、いくつかの星が見える。東京の空の明るさを考えればかなり多い数だと思う。なんともなしにあるアニメのED曲を思い出しながら星を眺めていたけれど、空にあるのはその曲とは違ってオリオン座だったり小熊座だったりと、もう冬のそれだ。最近風も秋の匂いがするなあなんて思っていたけれど、もう冬か。四月の頭の頃にはこの一年はものすごく長いに違いないと思っていたけれど、全然そんなことはなかった。冬の終わりもきっとあっという間に訪れるのだろう。時間というのは絶対的なものみたいに扱われているけれど、実はすごく相対的なものなんじゃないかな。ほら、楽しい時間は早く過ぎる、なんていうものだし。
それにしても早く寝ないとまた生活リズムが崩れてしまうのだけど、どうにも寝れそうにない。なんとも困ったものだ。